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執筆者の写真川崎学舎@info

暗記は1人で出来ても「思考力」は「対話」でしか育たないと思う

更新日:12月12日

こんにちは!

門野坂です


ホームページにも掲載していますが、昨年度(2024年度入試)は高校生が早慶MARCHへの合格を勝ち取ってくれました。




英語・数学にはもともと定評があった川崎学舎ですが、昨年度の彼らの実績を支えたのは、確実に国語だったと思います。


今日は、文系科目を愛してやまない僕が、国語力を伸ばす方法について書いていきたいと思います。


国語以外の4科目が伸びやすい理由


英語・社会

まず、英語と社会が伸びやすい理由としては「言葉」の量が点数に反映しやすいシステムだからだと思います。


英語に関して、高校受験では点数配点が1番高いのが長文です。長文を読むにおいて、僕たちは文法や英文解釈も、もちろん大切にしているけれど、やはり単語を知っていることで読解力をカバーできる割合が大きいのです。英検はもっと顕著で、序盤の文法問題であっても結局は単語を知っていれば点数が取れる問題が多いのです。


英語は、単語力・語彙力があれば合格最低ラインには到達できる科目とも言えるでしょう。


社会に関しても、定期テストや神奈川県の入試の現状を見るに、まだまだ年号と単語をセットで覚えることさえできていれば、その原理やつながりがわかっていなくても、回答を選択して点数を取ることはできると感じさせられます。


数学・理科

次に、数学と理科ですが「自分の手を動かす」ことが理解の鍵になっていると考えます。


数学や理科では、式を立てて計算することが求められます。少し小難しく分析すると「記号」を用いて、論理性の整合を確認する作業が求められているとも言えます。


正解は1つですし、自分のやり方ではどこで論理が破綻しているか、簡単に確認することができるのです。


他教科とちがい国語が伸びづらい理由

国語は、上記の4科目とは異なる性質を持っています。

そのために、点数の伸びが実感しづらい科目なのです。


⑴ 言葉で取れる点数の少なさ

まず、英語や社会とは異なり、言葉で取れる点数の比重が少ない点です。

典型的な漢字の勉強は、どの学校でも点数配点は10%~20%です。


知識面を重視している学校でも、漢字や慣用句の暗記で取れる割合は最大で40%でしょう。


残りの60%は文章の読解が求められます。

読解力を磨かなくては、微々たる点数しか取れないのです。


⑵ 自分の手を動かす機会の少なさ

60%は読解と言っても、基本的には4択の選択肢が用意されていることが多いのが国語です。多くの子どもたちは、ただ4つの選択肢の中から1つを選べば良いという価値観になりがちです。


自分で式を立てる数学や理科とは異なり、どのような論理で正解が導かれるかという確認がしづらく、おざなりになることが多くなってしまうです……。


国語が重要になる理由

中学生にとっては「私立附属高校」がメインターゲット

小学生にとっては「市立川崎附属中学」がメインターゲット

になる川崎学舎では、やはり国語は外せません。


私立附属高校は、英語・数学・国語という3科目でジャッジされます。

100点/300点と大きなウエイトが国語に割かれているので、外せません。


市立川崎は、適性検査Ⅰ(文系)・適性検査Ⅱ(理系)の2科目です。

ただ、適性検査Ⅰ(文系)の内訳をよく見てみると、60%~70%が国語に割かれています。

2023年度は、適性検査Ⅰの合計200点のうち(作文:75点+読解:65点)=国語130点、社会は70点となっています。


国語力を高めるための5つの取り組み

さて、国語ならではの「言葉で取れる点数の少なさ」や「手を動かす機会の少なさ」という問題点を乗り越え、国語力を高めるために、川崎学舎では次のような取り組みを行っています。


1. 要約や論述の宿題

どうにかして自分で説明しなくてはいけない課題を設定しています。

具体的には、要約や論述の課題です。


夏休みやGWなど、時間がある期間には、読書感想文や作文など「作者ではなく、自分がどのように感じているか」を言語化するような課題も出しています。


課題は、すべて僕(カド)のもとに持ってくるように伝えています。

教科書の答えを見て、勝手に学ぶことが極めて難しいのが国語なので、毎回フィードバックをするように心掛けています。


2. 自分で説明する授業

ミニホワイトボードを使い、自分で説明する時間を設けています。

ただ聞いているだけの国語って飽きちゃいませんか?笑


具体例の段落が何を伝えているか分析させたり、逆に抽象的な主張をしている段落が何を伝えているかを具体的にさせたりして、同級生に説明する時間を取っています。



3. そもそも考え方を知る授業

『現代文読解のテーマとキーワード』という学研プラスから出版されている参考書を用いて、そもそもの考え方を学ぶという授業も取り入れています。


かわいいイラストに反して、難しい内容なので、中学2年生後半~中学3年生で使用することにしています。


哲学・心理学・言語学・人類学・経済学・芸術史のざっくりとした流れを学ぶ本なのですが、めちゃくちゃ教養つきますし、知識というより「語れるようになる知恵」が多い内容です。


こういう参考書を学んでから、現代文を読むと「はいはい、参考書で言ってたやつね!」という感じで面白がってくれる機会が多くなります。



4. 講師との対話

講師との潤沢な対話が川崎学舎の魅力でもあります。それは、1で書いたような宿題へのフィードバックだけにとどまりません。


子どものころ、自分が考えていることをつぶさに聴こうとしてくれ、いろいろと話してみたいと思わされる大人は周りにどれくらい居ましたか?


今村くん(塾長)も、僕(カド)も、話を聴くのが大好きです。

結論が分かりづらく、まとまっていない話でも、ひとまず子どもたちの話を聴きたい。


「君の声が聴きたい」というスタンスで子どもたちと関わる中で、彼らの考える力が育まれているんだろうなと思わされる場面が、月日を重ねるごとに多くなってきていると実感させられます。


5. 少人数制・通い放題というシステム

上記の4つの取り組みが実現できるのは、少人数制・通い放題というシステムのおかげです。この環境があるからこそ、一人ひとりの学びを深める指導が可能になっています。


多くの生徒を一度に見る必要がある環境では、どうしても一人ひとりに十分な時間を割くことが難しくなり、個々の課題に対するフィードバックや深い対話が犠牲になりがちです。


しかし、川崎学舎では少人数制だからこそ、個別に時間をかけた丁寧な指導を実現しています。


また、市立川崎附属中学を目指す小学生の中でも、とりわけ文系科目が伸びている子どもには、ある共通点があります。それは、土日などの自由時間を活用して、自主的に学舎に足を運び、長時間滞在していることです。


ただし、これは「勉強時間が長いから成績が伸びている」という単純な話ではありません。長い滞在時間の中で講師と深く関わる時間が確保され、質の高い学びが継続していることが、成績向上の本質的な要因だと考えています。


実際、国語のワークを大量にこなすという「量」を重視した学習法だけでは、なかなか点数に結びつかないケースを数多く目にしてきました。その中で、川崎学舎の生徒たちが国語力を伸ばしているのは、「対話」を通じて学びの質を高める時間を確保できているからだと思うのです。


これからの時代に向けて

ここまでの内容では、受験での比重が高い国語を伸ばすために、頑張っています!という内容を書いてきましたが、最後は門野坂自身の展望を述べてみたいなと思います。


ChatGPTをはじめとする生成AIが台頭する時代になりました。

僕自身も課金して、日々使い倒しています。


去年から使っているのですが、どんどん精度が上がり、知識面でのミスも少なくなってきました。僕自身、分からないことに何でも答えてもらい、苦手な計算を任せ、1日の予定を立ててもらい、イメージ画像を作成してもらうなど多岐に渡って使用しています。


AIと同居するのが当たり前の時代に、僕らにとっての学びの意味はどう変わっていくだろうと考えさせられます。


僕は「情動」と「おもしろさ」に関わってくるのではないかと予想しているのです。


AIの強みは正確さや論理性の高さにあります。

他方で弱みは、情動に訴えかけ、おもしろみのあることが言えない点にあります。


正確で論理的なことは、今までの勉強で求められていたことですが、そういう再現性の高いことは機械こそが得意にしていることでもあるのです。


僕らは、もっともっと人間らしいスキルが求められる社会を生きることになると思います。


たとえば、英語で言えば、テクストを読む力を飛び越えて「自分で伸びやかに話していくコミュニケーション能力」が求められるようになると思います。


仕事の現場で、プレゼンテーションを行うとき。AIは膨大なデータをもとに、正確で効率的な提案をつくることができます。しかし、相手の心を動かし、共感を生み、行動につなげる「伝える力」はどうでしょうか? これは、人間が自分の言葉で語り、相手の反応を読み取る能力がなければ実現しません。


さらに、社会的な問題に直面したとき。たとえば環境問題や都市開発のように、複数の意見が対立する場面では、正解が1つではない場合がほとんどです。このような状況では、事実を理解するだけでなく、自分の意見を明確にし、他者と協力して解決策を見つける「対話力」が欠かせません。


川崎学舎で取り組む国語指導は、これらの力の「基盤」を育むものです。要約や作文、そして対話を通じて、生徒たちは自分の考えを深め、相手に伝える力を養います。これらのスキルは、AI時代を生き抜くための「生きた学び」となると、信じて止みません。


川崎学舎では、子どもたち一人ひとりの可能性を信じ、未来を切り拓く力を育む学びを提供しています。AIでは代替できない「自分で考え、伝え、動かす力」を、丁寧な指導と対話を通じて伸ばしていきます。


子どもたちが勉強に退屈しているのなら、それは自分が世界に関わるという楽しさをまだ実感していないだけなんじゃないかな。


学びを通して未来が変わると思えたなら、勉強はもっと楽しくなる。

川崎学舎に来て、そう実感してほしいです。

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